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FXでどうやって約1億円もの利益を?古賀之士議員がついに語った真相とは? - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス

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 ともかく、古賀之士参議院議員が国会議員の所得報告書にて、年間1000万円とか2000万円とか、約1億円といったような利益をFXによるものとして記載してきたのは事実。それはいったいどんなFXトレードによるものだったのか? 

トレードの期間は超短期から長期までさまざま
 「特定のトレードのスタイルはありません。トレードの期間は超短期から長期までさまざまです。不規則極まりない。アットランダムといってもいい。

 トレードは本業ではないですし、もちろん、国政重視で活動しています。参議院では本会議も委員会もパソコンやスマホなどの機器は持ち込み禁止(※)ですしね。多忙なときなどは1ヵ月間ぐらいトレードしないこともあります。日常的にFXをやっているわけではないんです」

 古賀議員はこんなふうに自身のFXトレードのことを話す。

(※細かくいうと、参議院も重度障害者に限っては、機器の持ち込みが認められている。一方、衆議院ではいくつかの条件はつくが、パソコン、携帯電話、タブレットの使用が認められており、参議院とは異なっている)

 筆者は古賀議員にFXトレードのことを何度も聞いた。ただ、古賀議員は自身のFXトレードのことをあまり詳しくは教えてくれない──ざっくりまとめれば、そういうことだった。

 「やり方は人それぞれですから」、そういう言葉も古賀議員はしばしば口にしていた。

 やり方は人それぞれ──ある意味、当たり前ともいえる言葉だが、なぜ古賀議員はこのような言葉を使ったのか、本記事を最後まで読んでもらえれば、その含意は明らかになってくることだろう。よく覚えておいてほしい。

古賀之士議員はコロナショックで利益を積み上げたのか? 
 さて、古賀議員がFXで計上した利益は2017年、2018年、2019年も結構なものだったが、2019年の1200万円超という水準から2020年は約1億円という水準へ跳ね上がっているのは前回の記事で紹介したとおりだ。

 2020年というと、どうしても3月前後に起こったコロナショックのことが思い浮かぶ。

 たとえば、米ドル/円なら、2020年2月下旬に112.10円台の高値をつけたところから、3月上旬には101.10円台まで急落し、それが一転、3月下旬には111.70円台まで急上昇するという、ジェットコースターのような相場が展開された。

 ジェットコースターから振り落とされれば、損失も拡大するが、その波にうまく乗れれば、利益を急拡大させるチャンスだったともいえる。2020年にFXの利益水準が跳ね上がった古賀議員はコロナショックにうまく乗ったのではないだろうか。筆者はそんなことを想像したのだった。しかし──

 「FXの利益はコロナショックで積み上がったわけではありません。コロナ禍のような経験したことのない事象の中では、トレードしにくいですから…」

 古賀議員はコロナショック時には、トレードをあまりやっていなかったようなのだ。2020年に古賀議員のFXの利益水準が跳ね上がったことと、コロナショックは関係なかったのである。

どうやってFXで約1億円もの利益を? ──たまたまこうなっただけ
 では、古賀議員のFXの利益水準はどうやって跳ね上がったのか。

 古賀議員によると、「これはインサイダーの香りがするな~」なんていう書き込みをする人も、今回の報道が載ったニュースサイトのコメント欄で見かけたという。

 しかし、古賀議員にしてみれば、心ないこのような書き込みはまったく迷惑な話。「インサイダー取引なんてやっていません」と断言していた。そもそも市場規模が非常に大きいこともあり、外国為替にはインサイダー取引は基本的には存在しないということが通常言われている。

 どうも、今回の報道が出て、騒がしいことになっているのは古賀議員の本意ではないようで、「たまたまこうなっただけですから」という言葉も、今回の取材の中で古賀議員はたびたび口にしていた。

 FXによる利益はどうやって約1億円もの水準まで跳ね上がったのか? ──たまたまこうなっただけです。

 狐につままれたような問答だが、じつはこの何気ない「たまたまこうなった」という古賀議員の言葉もあとで重要なポイントとなってくる。これも読者のみなさんはぜひ覚えておいてほしい。

ファンダメンタルズを重視。ニュースには人一倍、関心がある
 先ほど筆者は「古賀議員はFXトレードのことをあまり詳しく教えてくれない」と書いた。

 ただ、他の人と少し違うかもしれないことについて、「チャートも見るけれども、それよりファンダメンタルズを重視しているところかな~」と古賀議員は話してくれた。

 「あるニュースが出たら、こんなふうに為替相場が動くんじゃないか。そんなことを考えます。ただ、そのニュースに必ずしも乗っかっていくとは限らない。やっぱり、やめておこうということもあります。

 米大統領選とか、英国のEU(欧州連合)離脱問題とか、ボラティリティが大きくなるところはある種、チャンスでもあり、ピンチでもあると思うんです。

 そして、元々、報道のアナウンサーでしたから、日々のニュースには人一倍、関心があるんです」

古賀之士議員は福岡では超有名人の元アナウンサー。ニュースは自身が発信する側だった
 紹介するのがすっかり遅くなってしまったが、古賀議員は元々はテレビ局のアナウンサー。明治大学政治経済学部卒業後、出身地である福岡県のFBS福岡放送へ入社。報道畑で長年、アナウンサーを務め、参議院選に出馬するしばらく前まで、福岡放送のエグゼクティブ・アナウンサーという立場にあった。

 古賀氏はアナウンサーとして、日本テレビ系列の「ズームイン!! 朝!」、「ズームイン!! サタデー」でキャスター・リポーターを務め、約20年の長きに渡り、福岡放送の看板番組「めんたいワイド」の総合司会者を務めてきた。

 福岡県出身のザイFX! 編集部員に聞いてみると、「古賀さんは福岡では超有名人です。いつもニコニコしていて、親しみやすい印象。とても人気がありました」との答えが返ってきた。

 そんな報道畑でアナウンサーとしてニュースを発信する側にあった経験が、古賀議員のFXトレードには活かされている面があるようだ。

 「ニュースも自分で取材して原稿を書いたりすることもありましたし、ディレクターとしてドキュメント番組の制作に携わったこともありました。ローカル局はそういうものなんです。今となってはありがたい経験をさせてもらったと思います。

 そういう経歴もあって、日々のニュースにはとりわけ関心がありますし、それによって為替相場がどう動くか、よく考えるところもあるわけです」

投資の世界に足を踏み入れた最初は株だった
 そんな古賀議員が最初に投資の世界に足を踏み入れたのはFXではなく株だったという。

 「福岡放送に入社したのはバブル期で、みんな先を争うように株を買っていました。それに習って、株をちょこっと買ってみたんです。ただ、私が買ったときはもうバブル絶頂に近いころで結局、損をしました」

 古賀氏が福岡放送に入社したのは1984年のこと。バブル真っ盛りの日経平均が史上最高値をつけたのは1989年末という時間関係になる。

 外国為替及び外国貿易法(外為法)が改正されたことにより、日本でFXが始まったのはそれよりだいぶあとの1998年のことだから、古賀氏が福岡放送に入社したころ、FXはそもそもまだ日本に存在していなかった。

古賀之士議員がFXを始めたのは参議院の財政金融委員会に入ってから
 では、古賀氏がFXを始めたのはいつからなのか?  FXを始めたきっかけは? 

 「参議院議員になって、財政金融委員会に入りました。

 財政金融委員会の関係省庁・組織は財務省、金融庁、国税庁、日銀などです。財務省は100兆円を超える予算を扱う、まさに省庁の中の省庁。そして、銀行・証券会社などを統括する金融庁、税金を扱う国税庁、お札を発行する日銀です。まさに日本経済、世界経済の中枢じゃないですか。そこに関係している財政金融委員会に入りたいと希望したのです」

 「ただ、財政金融委員会はすごくスペシャリストの多い委員会なんです。専門用語が飛び交います。私は大学は政治経済学部を出て、報道のアナウンサーとして、経済関係も含めたニュースを発信してきましたが、財政金融委員会に入って、これはまだまだ専門知識を究めなければならないと感じました。

 たとえば、北朝鮮がミサイルを撃つと為替が動く、ブレグジット関連で動きがあると為替が動く。為替相場は生々しい世界の政治経済情勢を反映して、すぐ動くわけです。そういった場で実践しながら、もっと学んでいきたいと考えて、FXを始めたんです」

 前回の記事で紹介したとおり、古賀氏が参議院選に当選し、国会議員となったのは2016年7月のこと。その後、古賀議員は財政金融委員会に入ったのち、FXを始めたという。それは2017年の春ごろからのことで、最初は少額で始めたそうだ。

 古賀議員は2017年の段階で2000万円以上もの利益をFXで出したことを所得報告書に記載しているのは前回の記事で紹介したとおりだ。そんなこともあり、筆者は古賀議員が何となく、もっとFX歴の長いベテラントレーダーではないかと想像していた。しかし、実際には古賀議員のFX歴は4年程度。それほど長くはないのだ。

モノポリーは2年連続九州チャンピオンになるほどの腕前
 古賀議員がFXを始めるきっかけとなった参議院の財政金融委員会。その委員会で古賀議員が初めて質問に立ったのは2016年11月のことだった。このとき、古賀議員は事前に許可を得たうえで、モノポリーを委員会の場に持ち込んでいる。

 モノポリーは20世紀初頭に米国で生まれたボードゲーム。プレイヤーはお互い交渉を重ねて不動産の取引を行い、自らの資産は増やし、他のプレイヤーは破産させることをめざしてゲームを争う。オリジナルは米国のアトランティックシティがモデルとなっているが、世界各国でさまざまなバージョンが発売されている。

 「小学生のときからモノポリーを始め、修学旅行に持って来いよと言われるほど熱中していました。1995、1996年には2年連続で九州チャンピオンになって、全国大会にも出場したんです。

 モノポリーは世界で約3億セット売れています。映画『ホームアローン』にも登場しました。日本モノポリー協会の会長は糸井重里さんです」

 古賀議員はモノポリーのことになると、俄然、熱弁をふるった。正直、本題であるはずのFXトレードの話をしていたときより、かなりエネルギッシュだった。

 「アナウンサー時代に、米国のアトランティックシティへ行ったんです。地元のタクシーの運転手に聞くと、モノポリーに出てくる建物に次々と案内してくれて、『モノポリーの盤を見て、この街の歴史を学んだ』ということを誇らしげに話していました」

 前述のとおり、アトランティックシティはオリジナルのモノポリーのモデルとなった都市。九州チャンピオンになるほどの腕前を持つ古賀議員はモノポリーの“聖地巡礼”までするほどのモノポリー好きなのである。

日本人はもっと早くからマネーリテラシーを身につける必要がある
 古賀議員のモノポリー好きはわかったが、それが財政金融委員会とどうつながるのか? 

 「モノポリーでは不動産の取引をします。そこには競売とか抵当といった言葉が出てくるんです。小学生のうちから、そういった用語に自然と慣れ親しんでいたんですね。

 そういうことは、そのうち、学校でも正式に習うだろうと思っていたら、日本の学校ではこれが全然習わない。その一方、米国人はモノポリーのようなものを通じて、交渉術を含め、不動産取引に慣れ親しんだりしているわけです。

 日本では『貯蓄から投資へ』ということが長らく言われていますが、日本人はもっと早くからマネーリテラシーを身につける必要があるんじゃないか、金融教育がもっと必要じゃないかと考えていたのです。

 私自身、株で失敗したり、痛い目にもあってきました。そういった自分の経験も踏まえて、お金に関する教育の必要性を感じ、財政金融委員会で質問したわけです」

 新学習指導要領が実施される2022年4月から、高校では家庭科の授業で金融教育が行われる運びとなった。このことは金融業界でも話題となっているので、ご存じの読者もいるのでは。

 古賀議員が財政金融委員会へモノポリーまで持ち込んで、金融教育の重要性を訴えてから約5年。日本の金融教育は一歩前進し始めたようだ。

 「5年経って、やっと形になりました」、古賀議員はこう話す。

麻生太郎財務大臣は冗談めかして答弁していたが…
 2016年11月に古賀議員が財政金融委員会で質問に立ったとき、それに対して何人かが答弁しているのだが、麻生太郎財務大臣もその1人だった。答弁の中で麻生大臣も子どものころ、英国版のモノポリーをやっていたことなどを話している。ここで当時の議事録から麻生大臣の言葉をちょっと直接引用してみたい。

「(前略)モノポリーというのは、これ、私が子供のときはイギリスのあれだったので、ボンドストリートが一番高いところだった(※)という記憶がありますけれども、そういったものをやらされたからといって私もあなたも蓄財がうまくなったかって、余りそんな顔もしていないし」(第百九十二回国会 参議院財政金融委員会会議録第四号)

(※正確には英国版のモノポリーで一番高い土地はボンドストリートではなく、メイフェアらしい)

 古賀議員に対し、モノポリーをやっても、そんなに蓄財はうまくいってないんじゃないの? と麻生大臣は冗談めかして言っていたのだった。

 だけど、麻生大臣、そんな心配しなくても大丈夫です!  古賀議員はFXで約1億円の利益を上げたと所得報告書で報告するまでになりましたよ! 

古賀之士議員の「そんなに儲かってないですよ」との言葉が意味していたものとは? 
 これにて古賀之士議員のFX物語は終了し、本記事も完結──となっても良さそうなところだが、話はまだ終わらない。

 筆者が古賀議員に取材してみて感じたのは、金融教育やモノポリーのことになると雄弁だが、FXについては控えめということだった。

 財政金融の実際を学ぼうと始めたFX。そのFXで古賀議員は1年間で約1億円もの利益を計上することとなったが、その「生活レベルはまったく変わっていない」という。そして、「今、ダイエットしているので、むしろ、食費を削っているぐらいです」などとつつましく話すのだ。古賀議員は地元福岡では移動に地下鉄やバスをよく利用するそうだが、そんな移動手段も含めて、庶民派のままなのである。

 古賀議員からは取材の中で「人生はプラスマイナスゼロだと思うな」という言葉も何度か聞かされた。人気アナウンサーから、国会議員に当選し、モノポリーでは九州チャンピオンに2年連続でなって、FXで1年間に約1億円もの利益を計上しているというのにである。

 「そんなに儲かってないですよ」

 「たまたまこうなった」

 本記事シリーズの中で、筆者は古賀議員のこのような言葉が重要なポイントになると書いてきた。古賀議員からこれらの言葉を聞いたとき、当初、筆者はその重要な意味合いに気づいていなかった。

 しかし、古賀議員に根掘り葉掘り、さらに聞いていくと、ついに次のような話が出てきたのだ。

 「所得報告書は確定した損益の分しか申告しなくていいんですよ。含み損があったとしても、それは書かなくていいわけです。トータルすれば現状、マイナスになっている可能性だってあるわけですよ」

 確かに個人が確定申告する際、FXや株は基本的に確定損益のみがその対象となる。含み損益は対象外だ。そして、国会議員の所得報告書は、前回の記事で触れたとおり、おそらく確定申告書の内容に基づいて記載されている。

 仮に1年間のFXトレードで1億円の確定利益があった国会議員がその一方で、1億円の含み損を抱えていたとしたら、実質的にはプラスマイナスゼロということになるが、所得報告書に記載されるその年のFXによる所得は1億円ということになるわけである。

 ここからはあくまで筆者の想像になるが…。古賀議員はFXでポジションを取ったあと、自分の思惑どおりに相場が動き、満足のいく利益が出たら利益確定しているのだろう。一方、自分の思惑とは逆に相場が動いた場合は、損切りすることもあるかもしれないが、含み損状態を基本的には我慢して、利が乗ってくるのを辛抱強く待つような取引手法を取っているのではないだろうか。

 FXトレーダーの中には、リピート系発注機能の利用者などを中心に、一定の含み損は容認するという考え方をとる人たちもいる。古賀議員はリピート系発注機能を使っているのではなく、裁量トレードを行っていると思われるが、含み損を割と我慢するやり方を取っているのかもしれない。

 「やり方は人それぞれですから」という古賀議員の言葉が思い出されてくる。

FXトレードで古賀之士議員はトータルして勝っているのか、負けているのか? 
 このように想像をめぐらせてくると、古賀議員のFXトレード、その確定損益と含み損益を全部合計した金額はいったいいくらになっているのか、それが気になってくるが…。

 「それはちょっと言えないですね~。ノーコメントです(笑)。

 私は国会議員だから公人ではあるけれど、これはあくまで私的な資産運用の話。そこはご理解いただきたい。完全にプライバシーの問題があるので、勘弁してください。

 だって、含み損益っていうのはing(現在進行形)のことじゃないですか」

 FXトレードで古賀議員はトータルして勝っているのか、負けているのか、真相はわからない。

 古賀議員は資産公開法に基づき、2020年の1月1日から12月31日までに「たまたま」生じたFXの「確定」利益を自らの所得報告書にそのまま単純に、誠実に記載した。するとそれが報道されて、FX界隈などで騒ぎになった──いろいろな紆余曲折を経て、筆者がたどりついたのは、まあ、そういう話である。

 それにしたって、確定利益約1億円というのはスゴい数字ではあるのだが…。

 とにもかくにも、ずいぶんとFXトレードをやっている、FXのよき理解者が国会にいることは、われわれFXファンにとって心強い話だ。

 金融教育を充実させ、国民のマネーリテラシーを高めていくことを大きな目標としている古賀議員だが、その座右の銘は「ご縁」。古賀議員はFXファンともご縁の輪を拡げていきたいと語っていた。

 古賀議員の国政の場でのさらなる活躍とともに、ザイFX! としては古賀議員のFXトレーダーとしてのさらなる活躍にも期待したい。来年提出される、古賀議員の所得報告書にはどんな数字が躍っているだろうか? 

(取材・文 ザイFX! 編集長・井口稔 / 編集協力 ザイFX! 編集部・藤本康文 / 撮影 和田佳久)

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July 28, 2021 at 10:11AM
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