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鳥は歯がないのにどうやってものを食べるの?

22/01/02まで

子ども科学電話相談

放送日:2021/11/07

#子ども科学電話相談#サイエンス#いきもの#SDGs

10時台を聴く
22/01/02まで

もりやまさゆさん(小学5年生・東京都)からの質問に、「鳥」の上田恵介先生が答えます。(司会・石井かおるアナウンサー)

【出演者】
上田先生:上田恵介先生(立教大学 名誉教授 日本野鳥の会 会長)
小菅先生:小菅正夫先生(札幌市円山動物園 参与) 
小林先生:小林快次先生(北海道大学総合博物館 教授)
さゆさん:質問者


――お名前を教えてください。

さゆさん: さゆです。

――さゆさんは、どんなことを聞きたいですか?

さゆさん: 鳥は歯がないのに、どうやって食べものを食べるか知りたいです。

――上田先生、お願いします。

上田先生: さゆさん、こんにちは。
さゆさん: こんにちは。
上田先生: 鳥は歯がないのに、どうやってものを食べるかという質問ですね。
さゆさん: はい。
上田先生: うん、そうだね。人間なんかは歯があるから、ごはん食べるときもお肉食べるときも、口の中でガシガシかんで食べるよね。だけど鳥は、歯がないのよね。
さゆさん: うん。
上田先生: ずっと昔、恐竜時代にいた鳥には歯のある鳥もいたんですけど、今の鳥はもう、スズメだってカラスだってシラサギだってカワセミだって、歯がありません。だから鳥はね、全部丸のみしちゃうの。
さゆさん: はっ……。
上田先生: すごいでしょう?
さゆさん: へえ~。
上田先生: うん。だけど大きなタカとかワシ、そういう猛きん類っていう鳥は、大きなウサギとか捕まえたら、ちょっとお肉をくちばしと爪で引き裂いて小さくして食べたりはしますけれども、大抵の鳥は、魚を食べる鳥も木の実を食べる鳥も、全部丸のみです。
さゆさん: すごい……。
上田先生: うん。だけどね、人間、丸のみしたら消化に悪いでしょ。
さゆさん: はい。
上田先生: おなか壊してしまうかもしれないね。鳥はね、胃の中に「胃石」っていうのを持っていて、のみ込んでからおなかの中で、その石でゴリゴリッて硬いものをつぶして消化をしてます。歯がないけども、胃の中に歯の代わりになる小さな石をのみ込んでいて、その石で消化するっていうのが、くちばしに歯がないのに、鳥がいろんなものを食べられる理由です。
さゆさん: おおー!
上田先生: すごいでしょう?
さゆさん: すごいですー、すごい。
上田先生: うん。人間にもそんなんあったら、もう、かむの面倒くさいからなんでも丸のみしてゴックンゴックンして胃の中でゴリゴリッてやったら、楽かな?
さゆさん: 楽、ではないと思うけど……。
上田先生: うん、楽じゃないよね。
さゆさん: でも、ほしい。
上田先生: やっぱり人間、じっくり味を確かめたいですよね、口の中で。「甘いかなあ」とか「おいしいかなあ」とかね。
さゆさん: はい。
上田先生: だからまあ、鳥は丸のみだから口の中ではあまり味がわからずにゴクンとしてしまっているようで、ちょっと食べる楽しみが少ないような気がしますね、先生は。
さゆさん: はい、そうですね(笑)。

――どんな小さな鳥でも、胃の中に石を抱えているのですか?

上田先生: 例えばハチドリなんかは、蜜を吸ってるから別に胃石は必要ないんですね。硬いものを食べる鳥は、より大きな胃石をたくさん持っていると思います。
さゆさん: おお、なんかコワそう……。

――ねえ、そうですよね。その石は、どこから?

上田先生: 石はくちばしでついばんで、ゴックンとのみ込みます。のみ込んで、それでそれはもう胃の中にずっとあるようになってるわけです。

――どんどん増えていきすぎない?

上田先生: それは僕、鳥じゃないからよくわからんけど(笑)、ちょっとおなかの石が増えてきて重たくなってきたなって思えば、たぶん排出もしてるんだと思いますけど。鳥のふんを調べていても、あまり石が出てこないので。それと、そうやって石でゴリゴリやってると、石自体もすり減ってくるでしょう?
さゆさん: ああ。
上田先生: すり減って粉になってしまうから、時々補給すればいいだけかなと思います。

ーーさゆさん、どうですか? 先生のお話聞いて。

さゆさん: すごい不思議で、なんか、味がしないのはちょっとかわいそうだけれど……。
上田先生: 「味がしない」って言ったけど、全然味がしないんじゃなくて、鳥にも味覚があります。「危険な餌かな?」とか「大丈夫な餌かな?」とか、そんなん、ちゃんとわかってるし、それとやっぱりあまりまずいものは、「これはやめとこ」っていう、そういうのはちゃんとわかってると思いますね。
さゆさん: ははは。賢いですね。
上田先生: うん。みんな賢いよね。賢くなければ生きてこれなかった。

――それは、今現代に生きている鳥ですよね。

上田先生: はい。

――先ほど恐竜時代の話も出てきましたけど、「恐竜」がご専門の小林快次先生、恐竜時代に胃に石を抱えている生きものとか、いたんでしょうか。

小林先生: 私たちの研究で、歯がない恐竜っていうのは、歯の代わりにおなかの中に胃石を持って食べものを消化していたという、要は鳥のような感じで食べものを消化していたというのがわかっています。胃石というのは、鳥だけじゃなくて恐竜から持っていたということがわかっていますね。

ーーそうなんですね。恐竜時代の名残ということですか、今の鳥が石を抱えてるというのは。

小林先生: 名残というか、これは「収れん進化」という言い方をするんですけども、違った動物で同じような進化をする。その中で、鳥っていうのが完全に歯をなくして、筋肉質な胃を持って胃石を持つっていうのが、鳥として大繁栄したっていうかたちですね。鳥のような胃石を持つ前に、恐竜でも実は別で進化していたという考えがあります。

――そうなんですね。あっ、「動物」がご専門の小菅正夫先生から、何かひとこといただけるようです。お願いします。

小菅先生: 今、胃石の話だったので、実はアザラシも、魚を丸のみしますよね。だからアザラシの胃の中にも、胃石がちゃんとあるんですよね。上田先生のお話で、ゴリゴリやって魚を砕くというのがありましたけれども、哺乳類もちゃんと使ってるんですよ。
さゆさん: おおー。
小菅先生: 味がするかどうかはちょっとわかんないけど(笑)。
さゆさん: はははは。

――さゆさん、意外と胃の中に石を持っている生きもの、いるんですね。

さゆさん: はい。カワウソが石を持ってるっていう話は知ってたけれど。

――あ、知ってた? へえ~、そうなんですね。今、スタジオで私たち、どういう状況にあるかといいますと、小菅先生と小林先生とは電話でつながっていて、それと同時に先生方のお顔は、インターネットでつながった私の手元のパソコンに映っているんです。さっき小菅先生が、お話ししたそうにしてたので、それで振ってみました。

さゆさん: ふふふふ。

――さゆさん、そういう状況だったの。

さゆさん: すごーい。

――きょうは先生方、皆さんがいろいろ教えてくれましたけど、わかりましたか?

さゆさん: すごくよくわかりました。

――ああ、それはよかった! また「なんでだろう?」と思うことがありましたら質問してくださいね。

さゆさん: はーい。

――きょうはどうもありがとうございました。さよなら~。

さゆさん: ありがとうございました。さよなら~。
上田先生: さよなら~。

【放送】
2021/11/07 子ども科学電話相談 「鳥」 上田恵介先生(立教大学 名誉教授 日本野鳥の会 会長)

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