「2021 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージが、いよいよ10日に開幕する。6年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトは、高津臣吾監督(52)のもと日本シリーズ進出を目指して出陣する。

運命の初戦を翌日に控えた指揮官は、あくまで冷静だった。「特に変化はないですね。まだ前日練習を行っただけで、また明日になれば違った気分になるのかなと思いますけど、今は特別な変化はないですね」とさらりと話した。

目の前の勝利に執念を燃やしながら、その先の戦いまで考えなければいけないのが指揮官。19年10月の監督就任会見で、キーマンを聞かれ「僕」と答えた覚悟は、相当なものだったはずだ。

今シーズンの戦い方も、早い段階から組みあげられていた。ファイナルステージ初戦を、2年目の奥川恭伸投手(20)に先発を託すことも「ちょっと記憶にないくらい前に、こうなったらこうしよう、もし優勝できなかったらこうしようと、いろんなプランを立てている中の、明日が彼が先発するということです」と明かした。1軍の監督に就任して1年目の20年も、数カ月先までの先発ローテーションを、試行錯誤しながら組んでいた姿がよみがえる。

リーグ優勝のアドバンテージとして、ファイナルステージでは1勝と本拠地開催がある。しかし「今現時点で、1勝のアドバンテージがどうこうは、全く考えていません」と言い切った。あと3勝すればいい、という後ろ向きな考えではなく、あくまでどう突破するか-。初めて短期決戦を指揮する高津監督。「結果として、4勝どうやってするかが大事だと思う。どうやって勝ち抜くかというところしか考えていないです」という言葉には、力がこもっていた。