新型コロナウイルス感染症の長期化が、生活困窮者に食品を贈るフードバンクの活動にも影響を与えている。感染拡大を防ぐために企業が休業するなどして職を失う人たちが増え、食品の備蓄が底をつき始めているからだ。フードバンク事業に取り組む団体は、賞味期限内の食品などの寄贈を幅広く呼び掛けている。
福島フードバンク二本松を運営するＮＰＯ法人福島やさい畑～復興プロジェクトも在庫が不足している。
同ＮＰＯでは、ハウス食品からのレトルト食品の無償提供や、東京で地元産の野菜を販売した際に購入者から寄贈を受けるなどし、協定を結ぶ二本松市、大玉村両社会福祉協議会に生活相談に来た住民らに贈っている。
しかし感染症の拡大で両社協に生活困窮を訴える人が増加し、食品提供の依頼が増えた。一方、感染防止のための移動自粛で東京に野菜を売りに行く機会が減り、首都圏の協力者から提供を受ける食品もなくなった。
同ＮＰＯが寄贈をお願いするのは賞味期限が１カ月以上あり、未開封のインスタントやレトルト食品、缶詰、乾物など。アルコール類は受け付けていない。郵送や宅配の場合は寄贈者負担となる。柳沼千賀子理事長は「失業者だけでなく、アルバイトができない学生も増えている。自宅で食べる予定のない食品があれば協力してほしい」と話す。問い合わせは同ＮＰＯへ。
個人からの提供要望増
フードバンク活動推進に取り組む「フードバンクふくしま連絡協議会」によると、先月上旬ごろから、生活が困窮している個人から食材提供の要望が増えているという。
同協議会は通常、こども食堂など団体に食材を提供している。一方、企業の休業に伴って生活が困窮してる個人から依頼が増え、通常は行っていないが「緊急対応」として個人への食材提供を始めた。
鈴木和隆事務局長は「今後２、３カ月は食料の提供を求める声は多くなると考えられる」とし、個人に対応した制度の設計を進めるという。
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May 20, 2020 at 07:10AM
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