3月1日から日本への入国制限が緩和され、指定国以外からの入国であればワクチン3回接種で入国後の隔離が免除され、ついに新型コロナウイルスの流行前のように弾丸海外旅行が可能になる。日本への入国や外国人の受け入れの上で知っておくべきことを10のポイントにまとめた。
（写真：PIXTA）
1：2022年3月1日から入帰国時の隔離は何日間になる？
2：1日何人まで入国できる？
3：入国時に必要な書類・アプリは？
4：3回のワクチン接種はどうやって証明する？
5：入国の時に公共交通機関は使える？
6：隔離短縮のための陰性結果をどうやって当局に報告する？
7：オミクロン型以外が流行するとどうなる？
8：どんな外国人が新規入国できる？
9：企業などの受け入れ責任者は何をする必要がある？
10：これまでに取った日本へのビザは有効？
1：2022年3月1日から入帰国時の隔離は何日間になる？
22年2月末までは7日間の隔離が必要で、コロナワクチンの接種や自主検査による隔離期間の短縮はない。3月1日からも原則的な隔離日数は7日間（入国日は含まれない、以下同じ）だが、3回目のワクチン接種完了や3日目以降の自主検査によって隔離期間を短縮できるようになる。
隔離期間をどれだけ短縮できるかは、出発地が検疫所の用意する宿泊施設での待機対象となっている国・地域（指定国・地域）とそれ以外の国・地域で異なる。指定国・地域を出発し、3回目のワクチン接種が完了していない場合は、検疫所の用意する宿泊施設で3日間待機し、その後検査を受ける。この検査が陰性なら隔離終了だ。
指定国・地域から出発し、3回目のワクチン接種が完了していれば、検疫所が用意する宿泊施設ではなく直接自宅などに向かうことができる。さらに3日目以降に自主検査の結果を提出し、待機終了の通知を受け取れば、それ以降は隔離を続ける必要はない。指定国・地域以外から出発し、3回目のワクチン接種が完了していない場合も同様だ。
指定国・地域以外から出発し、3回目のワクチン接種が完了していれば、隔離は求められない。新型コロナ感染拡大前と同様にそのまま自由に行動可能だ。渡航先が隔離を求めていない場合、新型コロナ検査が必要とはいえ弾丸海外旅行も可能になる。
2月末までは検疫所が用意する宿泊施設での隔離が求められていても、3月以降は指定が解除される国・地域も少なくない。例えば、オランダ、ポルトガル、米国、オーストラリア、タイでは指定が解除されるため、3回目のワクチン接種完了後にこれらの国から入国する場合は隔離が不要になる。一方で、英国、ドイツ、フランス、ロシア、カナダ、インド、韓国、シンガポールなどへの指定は継続されるので、これらの国から入国する際は最低3日の隔離が必要だ。
2：1日何人まで入国できる？
政府は 1 日あたりの入国者数の上限を 3 月から 3500 人から 5000 人に引き上げるとしている。この上限には日本人帰国者と外国人入国者どちらもが含まれる。この上限では入国希望者が全員入国できない可能性があり、経済界などから反発の声が上がっている。
日本の大学に進学・就職を希望する外国人向けのサービスを展開するLinc（リンク、東京・千代田）が、今月中旬に入国制限解除を待つ外国人留学生114人に調査したところ、新学年が始まる今年4月までに入国できなければ日本留学をやめると回答した学生は全体の5割を占めた。同社の仲思遥CEO（最高経営責任者）は「定員を引き上げないままでは全員入国できず、日本が選ばれなくなる」と危機感を示す。
3：入国時に必要な書類・アプリは？
これまで通り、出発から72時間以内に受けたコロナの検査証明書が求められる。「鼻腔（びくう）・咽頭ぬぐい液」を検体とした検査が認められないなど日本側が独自に定めたルールが多くあるため、厚生労働省は指定フォーマットを紙に印刷したものに医師が署名したものを提出することを原則としている。ただし、本人が記載内容を変更できない種類のファイルである限り、電子メールによる提出も認めている。
その他、これまで通り、誓約書や質問票の提出が必要だ。自身のスマートフォンに入国者健康居所確認アプリ「MySOS」や接触確認アプリ「COCOA」をダウンロードすることも求められる。3回目のワクチン接種完了による隔離短縮を希望する場合は、ワクチン接種を証明する書類を提出する。
デジタル庁が提供する「Visit Japan Webサービス」を利用すれば、事前の情報入力によって検疫・入国審査・税関申告の時間を短縮できる。関西国際空港では、入国者健康居所確認アプリを通じて入国前に検疫手続きが可能な「ファストトラック」が利用可能だ。
4：3回のワクチン接種はどうやって証明する？
公的機関が発行したものであれば電子証明でも紙の証明書でも構わない。空港の検疫では「EUDCC」（欧州で一般的な規格）、「スマートヘルスカード」（北米で一般的な規格）、「ICAO VDS-NC」（国際民間航空機関＝ICAO＝による規格）のようなワクチン接種情報を含むQRコードの読み取りが可能だ。デジタル庁の接種証明書アプリの海外用QRコードは、ICAO VDS-NCとスマートヘルスカードに対応しており、空港検疫で利用可能だ。
米ファイザー製と米モデルナ製ワクチンの組み合わせは自由で、同じワクチンを3回とも接種する必要はない。ただし、中国などで接種できる中国医薬集団（シノファーム）製と中国科興控股生物技術（シノバック・バイオテック）製のワクチンは認められない。年齢を理由に3回目接種を受けられない子どもについては、3回目接種を終えた保護者と一緒に行動する場合に限り保護者と同様の待機期間の短縮が認められる
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February 28, 2022 at 03:00AM
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