2022/4/14 09:51
原材料費や物流経費などのコスト上昇を背景に、パンや菓子、総菜など食品の値上げが続いている。スーパーは消費者離れを防ごうと一部商品の価格を据え置くといった企業努力をしているが「経費削減による価格抑制は困難」との声も。ロシア・ウクライナ情勢も重なり、物価上昇の先行きが見えず、県民の間には「値引き品、お徳用を買う」「外食を減らす」など生活防衛の意識が強まっている。ヤマザワ（山形市）の担当者は「ほぼ全ての品目の仕入れ値が上がっていると言っていい状況」と漏らす。代表的なのが食用油で、昨年から既に数回値上げされた。大豆や小麦、フィルム、パックなど、今後も値上がりが見込まれる原材料は多く、仕入れ値の上昇が予想される。こうした中、同社は「お客さまへの奉仕」として、値上げラッシュが続く5月までカップラーメン、レトルト食品、缶詰、菓子、日用雑貨などの一部300品目の価格を維持することを決めた。
今後の対策については、光熱費などの上昇で経費削減も困難な状況といい「仕入れ値、燃料価格の高騰を吸収できる分野がなく、非常に厳しい」とする。
主婦の店鶴岡店（鶴岡市）では、みそ、しょうゆ、スパイスといった調味料、食用油などの仕入れ値が上がっているという。飲料、麺類も上がる見通しだ。シイタケなどの乾物類、中華料理用のソースといった値上げしていない商品もあるが、今後も価格を維持できるとは言い切れないとして、プライベートブランド商品の値上げ抑制で家計を応援する考えだ。
経費面は、電気代の上昇などで光熱費を抑えることが難しい状況。急な値上げは避けたいが、こちらも「経費節減によるカバーは困難」との見方を示している。
消費者は物価上昇にどう対応しているのか。「物価高は社会情勢のためでどうしようもないが、早く何とかしてほしい」と嘆くのは山形市西田5丁目、主婦有路慶子さん（44）。食材を買う際は、葉物に比べて価格変動の幅が小さいキノコやモヤシ、値段の割に品数が多い「お徳用」を選ぶことが多くなった。外食回数を減らし、利用するのはリーズナブルな店が中心。家計の引き締めに懸命だ。
米沢市成島町3丁目、会社員高石由里子さん（38）は小学6年生を筆頭に食べ盛りの3人の子どもがいる。「食材の量は減らせない」と言い、値引きの時間帯を狙って買い物したり、冷凍できるものは大量購入して小分け保存したりと工夫を凝らす。「何を先に削るかと言えば、自分の嗜好（しこう）品。化粧品なども大事に使っている」と語った。
「在宅介護を支える家族の会」代表の工藤美恵子さん（68）＝村山市河島乙＝は、運営する子ども食堂の食材や介護者の集いの茶菓代などで物価高の影響を受けている。「寄付に助けられながら運営している。カップラーメンや割り箸なども高くなり、同じ金額で買える量が減っている。何とか安い商品を探している」とやりくりの苦労を口にした。
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April 14, 2022 at 07:51AM
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